マリアリーフ「福岡ハーブとアロマの学校 | 心と体のケアサロン」
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総合レポート!植物療法部会シンポジウム 〜 日本アロマセラピー学会 in 札幌 

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開催した日 2018年10月7~8日
内容履歴
https://marialeaf.com/news/gakkai181008/
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学会の発表報告はコチラ

10/7〜8の二日間

北海道で開催された『日本アロマセラピー学会総会』の

総合レポートをお伝えします。

私は『植物療法部会シンポジウム』に登壇させていただきましたが、他の4人の登壇された先生方を含めて、全ての発表の内容を座長の春田博之先生がわかりやすくまとめてくださいましたので、こちらに転記させていただきました。

春田博之先生に心より感謝いたします。

今回ご参加されなかった皆さまもぜひご覧になってください❤️

学会会場の写真

会場:学会2日目は快晴の札幌コンベンションセンター

 

 

【植物療法部会シンポジウム】

日本アロマセラピー学会 in 札幌

 

<座長>
芦屋こころとからだのクリニック
医療法人春田クリニックの春田博之先生

春田先生の写真

 

【春田博之先生による概要レポート】
日本アロマセラピー学会学術総会in札幌 植物療法部会シンポジウムの概要をレポートさせていだきます。
台風の影響で開催が危ぶまれた札幌総会でしたが、無事に開催され終えることができました。 

さあ、記念すべき植物療法部会シンポジウムの第1回目を振り返って、簡単にレポートさせていただきたいと思います。

 

🌷登壇者のお一人目は 皆様ご存知、
◯グリーンフラスコの林真一郎先生
「植物化学成分としての精油の特徴と活用」についてお話しをいただきました。


欧米ではアロマセラピーはフィトセラピーの一領域であるとして共通認識が得られていること、植物には光合成によって得られる植物化学成分(フィトケミカル)には精油とアルカロイド、フラボノイド、タンニン、植物酸など多様なグループがある。そうした中でアトミックな植物療法であるアロマセラピーそして、その芳香成分をわずかに含む芳香蒸留水についての品質管理や安全性についてお話しがありました。


①芳香蒸留水の安全性についてはPHが3~5の酸性でもカビなどの汚染は防げないこと、安全に芳香成分を内服してゆく上で今後の課題があること

②アメリカではODACで抗酸化力が表示され、日本ではまだあまり評価のない抗酸化力表示が普通になっていること

③芳香成分の位置づけが、化粧品と食品に分かれたりまたがっているものがあり取り扱う上で注意が必要であること

④アメリカでがん化学療法の中には植物成分も含まれていることなどのお話しをいただきました。

🌷お二人目は
〇河内あつ子先生

(日本アロマ蒸留協会 代表理事)
「香を作る・感じる・食べる暮らし」

~キッチンで香植物を丸ごと生かす~
 

日々の暮らしに植物の香りを手軽に取り入れる方法としてキッチン蒸留を提案、食品衛生法をクリアした専用の陶器の蒸留器で調理をしながら尚且つ食材の芳香成分をも余さず採取できる方法。

また、この手法は30分のキッチン蒸留の中で食物繊維に含まれる抗酸化力成分もさらに抽出することができ、まさに食材丸ごとその機能を余すところなく享受できるとのこと、芳香成分を安全に摂取できる方法として、日常に根差した現実的なものだと思われました。

ターミナルケアへの応用例として印象的だったのは、末期がんの患者様が鶏肉を食べたいが、とても食べられるような状態ではなかった。その患者様に鶏肉をキッチン蒸留して、その方向蒸留水を病院へ持参し口に含ませてあげると、鶏肉を食べたような気分になりとても満足されたというエピソードでした。これこそアロマの新たな可能性も垣間見たように思います。

🌷三人目は
〇佐藤香先生、薬剤師さんです。

(ふくち薬局所属)
「薬剤師が関わる植物療法の可能性」


薬剤師の視点から、植物療法が、医療、疾病予防、セルフメディケーション、介護、緩和ケアにおいてどのように活用できるのかをお話しいただきました。


ダイレクトOTCでは抗酸化成分含有医薬品として、赤ブドウ葉乾燥エキスが静脈瘤や浮腫に効き、チェストベリー乾燥エキスがPMSに効果があるとして、すでに市販されていること、


健康食品に使用される素材は
医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質(原材料)リスト(非医リスト)」及び「専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)リスト(医リスト)があり」両方合わせて「食薬区分リスト」に区分されている。

また、桂皮や丁子などのように薬理効果の期待できない量での使用は食品添加物のあつかいになるなどのご説明がありました。


そして、ポリファーマシーや薬剤耐性の対策として、ハーブや漢方の可能性に対する期待に触れておられました。

🌷四人目は
〇入江泰子先生、看護師さんです。

(株式会社マリアリーフ 代表取締役)
「自然治癒力を高め”幸せに回復する力”を与える」植物療法の魅力


福岡でアロマの学校を設立され、ハーブやアロマを幅広く様々な形で活用してゆく方法を教え、セラピストさんの養成、地域におけるボランティア活動などを通じて、植物療法は正しい知識のもとに行われることで、侵襲が少なく予防医療の一助として適したものであることを伝えてこられました。

実例として、脈の結滞がある女性、医療機関での診断では特に治療の必要がないとされた方に自宅ではホーソンとパードック(ゴボウ茶)を飲用していただき、職場ではリラックス効果のあるアロマを香ってもらうことで、脈の結滞が改善した症例。

もう一人の方は双極性障害の方で、ジャーマンカモマイル、ラベンダー、ウスベニアオイなどのハーブをお湯で浸した洗面器で手浴(ハーバルバス)をしてもらうことで心のブロックが解放され、症状が改善していった症例。

またハーブにはハイビスカスやウスベニアオイ(マロウ)など色の変化を見て楽しむことができ、その様子をじっと観察することでうつ状態にある方が、こころに変化を起こし、改善していった様などをお話しいただきました。

🌷今回、残念ながら長島司先生は台風の影響でご欠席になりましたが、ご登壇いただいた4人の先生方には今後の植物療法の発展の可能性とその奥の深さを垣間見させていただきました。

ご登壇いただいた先生方、本当にありがとうございました。

また、植物療法、アロマにご興味のある方は
こういった植物療法とアロマを中心とした部会も開催してまいりますので、是非ともご参加ください。よろしくお願いいたします。

植物療法部会長 春田博之

学会の様子の写真

春田博之先生、素晴らしいまとめを本当にありがとうございました。
今回の学びを次に生かして、植物療法がますます発展していくことを願います。

マリアリーフ「福岡ハーブとアロマの学校」
入江泰子